Marketing Blog

デザインがマーケティングにもたらす効果とは
-中小企業の成長戦略

1. 中小企業におけるマーケティングとデザインの重要性

新規顧客獲得の難しさと限られたリソース

中小企業の経営者が直面する大きな課題の一つは、「新規顧客の獲得」ではないでしょうか。特に限られた予算とリソースの中で、効果的なマーケティング戦略を立てるのは容易ではありません。

多くの中小企業では、広告費用を抑えるために社内でマーケティングを行うことが多く、経営者や少人数のチームが複数の役割を兼任しています。

例えば、マーケティング専任者がいない場合、他のメイン業務を持つ人が兼任していることや、経営者自身がマーケティング計画を立て、デザイン、コンテンツ制作、広告運用まで手掛けることも少なくありません。※1

このような状況では、各分野の専門知識やスキルが不足しがちであり、効果的なマーケティングを実行するための戦略と戦術の構築が難しくなります。

※1 出典元:ブランディングテクノロジー 株式会社調べ
(https://www.branding-t.co.jp/download/digitalmarketing/marketing_report2023/)

デザインとマーケティングの協調の重要性

効果的なマーケティング戦略とは、「マーケティング」と「デザイン」の相互作用を生み出すことです。デザインとマーケティングがうまく協調することで、ブランドの認知度を高め、より多くのユーザーにアプローチし、興味・関心を引きつけることができます。

中小企業にとって、デザインとマーケティングの協調は特に重要です。

限られたリソースと予算の中で効率的に有効な見込み客へリーチするためには、質の高いデザインとマーケティングが一体となって動く必要があるからです。

2. デザインとマーケティングの両輪がかみ合ったときに生まれる効果

デザインの役割

「デザイン」は、単なる見た目の良さを追求するものではなく、マーケティング戦略の成功に不可欠な要素です。
視覚的魅力を持つデザインは、ブランドの認知度を高め、ユーザーの注意を引きつける力があります。優れたデザインは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させ、訪問者がサイトに滞在しやすく、情報を探しやすくする役割を果たします。

狭義のデザイン

例えば、ランディングページのデザインにおいて、魅力的なビジュアルや直感的なナビゲーションが組み込まれることで、訪問者は情報をスムーズに得ることができ、最終的にはコンバージョンにつながりやすくなります。
このような目に見える狭義のデザイン(WEBデザインやグラフィックデザイン)は、ユーザーの注意を引き、ブランドの認知度を高める役割を果たします。さらに、バナー広告やホワイトペーパーのデザインも重要です。

これらのデザインは、ユーザーの関心を引きつけ、ブランドメッセージを効果的に伝えるための手段です。
例えば、バナー広告においては、鮮やかな色使いや動きのあるビジュアルが、ユーザーの目を引きます。一方、ホワイトペーパーでは、プロフェッショナルなレイアウトや分かりやすいインフォグラフィックが、情報を伝える効果を高めます。

広義のデザイン

一方で、見た目には認識しづらい広義のデザインもあります。
例えば、戦略的なブランディングや顧客体験の設計は、企業の長期的な成功に不可欠です。経済産業省のデザイン経営のガイドラインでも、企業全体のビジョンやミッションを明確にし、それに基づいたブランディング戦略を策定することの重要性が強調されています。また、顧客が商品やサービスを利用する際の体験を設計することで、顧客満足度を高め、ブランドロイヤルティを向上させることができます。

例えば、スターバックスの顧客体験の設計では、店舗の内装デザインからバリスタの接客態度、商品のパッケージデザインに至るまで、すべてが一貫したブランドメッセージを伝えています。これにより、顧客はブランドに対して強い愛着を持ち、リピーターとなります。

このように、広義のデザインと狭義のデザインの両方が組み合わさることで、企業は総合的なブランド体験を提供し、顧客との深いエンゲージメントを築くことができるのです。

マーケティングの役割

「マーケティング」は、顧客のニーズを理解し、適切なメッセージを伝えることを目的としています。マーケティング戦略は、顧客の興味を引き、購買意欲を喚起するための計画を立てることから始まります。
顧客へアプローチをするための手法はさまざまですが、重要なのは「顧客のフェーズごとに最適な手法を選択すること」です。顧客のフェーズは今どの段階なのか、フェーズに合ったアプローチができているのか、顧客から得られる情報をデータ化し、効果測定を行いましょう。

具体的には、マーケティング活動を効果的に行うためには、ファンダメンタルマーケティング(戦略的で抽象的)とテクニカルマーケティング(具体的な施策)の両方を組み合わせることが重要です。

ファンダメンタルマーケティング

ファンダメンタルマーケティングでは、顧客のフェーズごとに最適な手法を選択し、全体的な戦略を策定します。
例えば、ブランド戦略や顧客関係管理(CRM)を通じて、顧客の長期的な信頼を築く計画を立てます。これにより、企業は顧客のライフサイクル全体にわたって継続的に価値を提供することができます。また、市場調査や競合分析を行い、ターゲット市場に対してどのようなメッセージを発信すべきかを明確にします。

テクニカルマーケティング

一方で、テクニカルマーケティングでは、データに基づいた具体的な施策を実行し、マーケティング活動の精度を高めます。
例えば、SEO(検索エンジン最適化)やソーシャルメディアマーケティングを活用し、顧客の関心を引き、購買意欲を喚起するための具体的な計画を立てます。

SEOでは、キーワードリサーチとコンテンツ最適化を行い、検索エンジンでのランキングを向上させます。ソーシャルメディアマーケティングでは、ターゲットオーディエンスに合わせたコンテンツを制作し、エンゲージメントを高めるキャンペーンを実施します。

例えば、新しい製品のマーケティングキャンペーンを考える場合、まずファンダメンタルマーケティングの一環として、製品のUSP(独自の売り)を明確にし、ターゲットオーディエンスを定義します。
次に、テクニカルマーケティングを活用して、具体的なオンライン広告キャンペーンを展開します。この際、広告のパフォーマンスをモニタリングし、データに基づいて最適化を行うことで、広告費用の無駄を省き、ROI(投資利益率)を最大化します。

このようにして、ファンダメンタルマーケティングとテクニカルマーケティングを組み合わせることで、顧客のニーズに応じた最適なアプローチを実現し、マーケティング活動の効果を最大化することができます。

デザインとマーケティングの相乗効果

デザインとマーケティングがうまく連携することで、双方の効果が最大化されます。
広義のデザインとファンダメンタルマーケティング、狭義のデザインとテクニカルマーケティングが結びつくことで、高い成果が期待できます。例えば、魅力的なデザインのランディングページと効果的なマーケティング施策が組み合わさると、顧客の関心を引き、購買に結びつける力がより一層強化されます。

また、最適なメッセージを訴求することで、広告配信時のコストを抑え、限られた予算の中でも効率的な新規顧客の獲得が見込めます。
恒常的な新規顧客の獲得を実現するためには、「本当に今の状態でいいのか」を常に問い続けることが大切です。市場や状況は変動します。単調なメッセージを使い続けることなく、常にPDCAを回し続けることで、デザインとマーケティングの質は向上していきます。

3. マーケティング的に根拠のあるデザインを設計するには

デザインとデータ分析の連携

マーケティング戦略を効果的に実施するためには、デザインとデータ分析の連携が不可欠です。
デザインの効果を最大限に引き出すためには、データから現状を正しく把握し、継続的に改善する必要があります。

例えば、ランディングページのデザイン変更後のコンバージョン率やバナー広告のクリック率などを追跡し、分析することで、どんなクリエイティブが自社にフィットし、効果的であるかを明確にすることができます。Google Analytics 4(GA4)やGoogle Tag Manager(GTM)、Google Search Console(GSC)などは、自社のマーケティング環境をデジタルに計測するためにGoogle社が提供している無償のサービス(一部有償)です。

これらのツールを活用することで、ユーザー行動の詳細なデータを収集し、分析することが可能になります。デザインの改善点を見つけ出し、マーケティング戦略を最適化するための具体的なアクションを取ることができます。

また、GA4のデータを柔軟にダッシュボード化できるBIツール(Looker Studio)を使用することで、リアルタイムでデータを可視化し、意思決定を迅速に行うことができます。こちらも無料で利用できるツールです。

デザインとデータ分析の連携は、インバウンドマーケティングにおいても非常に重要です。マーケティングの効果を最大化し、ビジネスの成長を促進するには欠かせないものになりつつあります。


弊社ではWebサイトの制作をきっかけに、クライアント様からデジタルマーケティング施策についてご相談をいただく機会が増えてきました。
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そのようなお困りごとがございましたら、新サービスである「インバウンドスターターパック」をお試しいただいてはいかがでしょうか。


4. インバウンドスターターパックの紹介

スターターパックの内容と特長

インバウンドスターターパックは、中小企業がデジタルマーケティングの効果を最大限に引き出すための包括的なサービスです。
以下のような内容が含まれています。

1)広告用LPと各種ツール
ランディングページ、バナー、ホワイトペーパー
2)計測環境
GA4、GTM、GSCの設定とBIダッシュボード(Looker Studio)
3)広告配信
リスティング広告、SNS広告の運用

スターターパックは、デザインから分析、広告運用までを一貫して提供する1ストップサービスです。
デジタルマーケティング施策を一気通貫で進めることができるため、複数の業者とのやり取りや調整の手間を省き、業務の効率化を図ることができます。

デザインに特化した制作会社はアクセス解析や広告運用を提供しないことが多く、広告会社はデザインが得意ではないことが一般的です。一方総合代理店では、制作は外部と連携することが多いため、その分費用が高額になる傾向があります。

弊社のインバウンドスターターパックは、これらの課題を解決し、最適な価格で良質なサービスを提供します。
お試しプランも用意しているため、「話だけでも聞いてみたい」という方でも、お気軽にお問い合わせください。

サービスに関するご相談はこちらまで

長くなりましたが、中小企業が限られたリソースの中で効果的なマーケティングを行うためには、デザインとマーケティングの協調が重要です。
ぜひ、インバウンドスターターパックを活用して、ビジネスの成長を止めない仕組みを構築してみてはいかがでしょうか。

ピース マーケティングチーム

PEACE Marketing Team

編集部

「共感からはじめるデザインで、企業と人との間にあるエンゲージメントを向上していく」ことをミッションに、デザインとマーケティングの関係をテーマにした記事を担当。